右ミラー・右目視! (恐怖体験につき注意!)
まだ20代の頃
ちょうど今頃のような
夏も盛りの季節
ツレと二人で山陰地方を
バイクでツーリング
走り疲れて
「仮眠を・・」と思ったのが
深夜の12時ごろ
バス停が見えたので
2台のバイクを止めて
そこでチョッと一服
真っ暗な田んぼの一本道で
シーンと静まり返った辺りには
聞こえるのは虫の鳴き声だけ
長く続く道の先には
星明かりに照らされる大きな山
もう峠を越える気力はなく
ただ休みたいだけ
最終バスは行き過ぎた様で
幸い雪国のバス停には
屋根も扉も付いている
ふと足元には花瓶の花
大切に利用している人に感謝しつつ
寝袋にくるまってバタン、キュー
どれくらいの時間が経過したろう
深く寝付けるわけもなく
闇と静けさが更に増し
おそらく深夜の2時か3時
星夜は消えて怪しい雲行き
予報も悪天候を知らせていたので
急いで出発の準備
深い闇の向こうの
大きな山を越えなければ
自宅にはたどり着けない
ツレは先行して
小さく消えてしまった
追いつかねばと思い
バイクに跨りエンジンスタート
周りに人がいないとわかっていても
発進時の基本動作は
ギアを入れて
「右ミラー」・「右目視」
この習慣が染みついている
当然の如く右のミラーに視線をやると
何故か白い衣装のご婦人が
後方3mほどの距離で映っている
「こんな深夜に?」
疑問と恐怖を覚えるものの
「右目視」の習慣が止まらない
肩越しにフッと右後ろに目をやると・・
今度は後方1mの距離で
スーパーの買い物袋を両手に提げて
おそらく交通事故で負傷したと思われる
全身血まみれのご婦人が立っている?
しかも目が合ってしまった!
もちろんこの世の人では無いと
すぐに感づいて
死に物狂いで猛ダッシュ!
後ろを振り返る勇気なんて
モウトウありません
距離を置いてようやく落ち着き
その気配がない事に安堵をおぼえ
そう、ようやくバス停にあった
足もとの花の意味がわかったのです。




コメント